通常10%程度となる石炭水分を、コークス炉に装入する前に6%程度まで乾燥させる設備です
事前処理として、コークス炉に装入する石炭を乾燥させる設備で、以下の3つのメリットがもたらされます。
(1)コークス炉で消費する熱エネルギーの削減:コークス炉への持ち込み水分が減少し、コークス炉の乾留熱量を低減することができます。
(2)コークス品質改善:コークス炉炭化室内の石炭嵩密度が増加し、コークス強度が向上します。または、コークス強度を維持したまま、粘結性の低い安価な石炭の使用割合を増やすことができます。その結果、石炭の購入コスト削減が可能になります。
(3)コークス生産量増加:石炭の嵩密度向上とコークス炉での乾留時間短縮の効果が得られ、結果としてコークスを増産することができます。
日本製鉄は、1983年にCMC第1世代のSTD(Steam tube dryer)タイプ、1991年には第2世代のCIT(Coal in tube dryer)タイプを導入。両タイプ共に石炭の調湿に寄与する一方で、「外部熱源として蒸気を使用する必要がある」「蒸気と石炭が直接触れ合わない間接熱交換となり熱交換効率が落ちる」といった改善余地もありました。
それらを克服すべく、1996年に開発したのが、第3世代の流動層式CMCです。「熱回収が行われていなかったコークス炉排ガスを熱源として使用する」「石炭とコークス炉排ガスが直接触れ合うため熱交換効率が高い」といった特徴を持ち、第1・第2世代のタイプと比較して省エネルギーかつ低ランニングコストとなります。
go to TOP