「鋼×想=力」特集
ワンチームで作り上げるシステム建築の魅力
めっき加工工場に『スタンパッケージ®︎』
〜ニシハラ理工(株)担当者様にインタビュー〜

2021年9月1日

ご安全に!

今回は、ニシハラ理工株式会社様より受注した最新めっき加工工場「佐賀第二工場(佐賀県上峰町)」の事例を紹介いたします。本施設は、2020年2月に竣工、当社システム建築商品「スタンパッケージ®️」を採用し、高い意匠性と品質を確保するとともに最適な空調換気により、機能的な"電気めっき加工工場"を実現しています。

生産性や安全性の確保はもちろんのこと、雇用にまでプラスの効果をもたらす工場のあり方とは−−。同施設の工場長で新工場建設プロジェクトの総括責任者である小川勝彦様に工場完成までのプロセスや、スタンパッケージ®️への評価、建物に込めた想いなどを語っていただきました。

introduction

ニシハラ理工株式会社様(本社:東京都武蔵村山市)は、1951年に東京都三鷹市で創業。「信頼される技術と誠意」を企業理念に、自動車部品等に使われる電子部品のめっき加工を手がけています。

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[語り手]

右:小川勝彦様(ニシハラ理工株式会社 生産本部 佐賀工場 工場長)、
左:松下昭彦(日鉄エンジニアリング/西日本支社建築・鋼構造営業室 シニアマネジャー) ※以下、敬称略とさせていただきます

現場の『こう改善したい、こう変えたい』からスタートしたプロジェクト

編集部:佐賀第二工場建設におきましては『スタンパッケージ®』を採用していただきましてありがとうございます。まず、工場新設の背景について教えてください。

小川工場長:近年、錫めっきの受注量が拡大し、生産効率を上げる必要があったこと、
また、扱う製品の重量もどんどん重くなっており、既存の工場では耐荷重量が限界になると予想されたことなどが工場新設の大きな理由です。

新工場の建設に関わらせていただけるというチャンスは滅多にありません。今やらなきゃと思い「企画書」を作成しました。
長年工場で働いてきましたので、現場のさまざまな苦労や課題はわかっていました。
我々の「こう改善したい、こう変えたい」をしっかりとお伝えしたかったのです。

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編集部:なるほどそうした背景があったのですね。今回当社にご発注いただいた一番の決め手は、どのような点でしょうか。

"ワンチーム〝という意識で想いを一つにまとめていった

小川工場長:日鉄エンジさんだけが、我々の「企画書」に対して最初から具体的なアドバイスをくださいました。我々のやりたいことが伝わり、それに対して専門的なアドバイスをもらえたというのが非常に心強かったですね。

また、早い段階で本社工場を見ていただいたことも、非常によかったと思っています。
当初、日鉄エンジの皆さんは、「めっき工場は匂いが出る、濡れる、湯気が出るのでは? 建物が錆びるのでは?」と随分警戒されていましたからね。(笑)

設計段階では、日鉄エンジの設計担当の方々と、ニシハラ理工の設備担当、工場運営担当との間で、工場運営に関する課題や、既存工場での改善方法など、それぞれ知見を有する専門家同士の話し合いで、具体的な様々なアイデアが生まれました。

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編集部:お客様も我々も〝ワンチーム〝という意識で打ち合わせを重ねていったのですね。当社のパフォーマンスについてはどのような印象を持たれましたか。

小川工場長:とにかく日鉄エンジの皆様は、まじめで慎重、かつ、間違いがないように何度も確認される姿が印象的でした。

それは工事に入ってからの現場運営についても同じで、プロジェクトを通じて1本の芯が通っていると感じました。
工事も順調に進み、予定の工期から1か月も前にお引き渡し頂きました。
これによって、私共の生産ラインの据え付けの時間を稼ぐことができ、生産ラインの立ち上げもスムーズに進めることができ、非常に感謝しております。

愛着+働きやすさ+やりがいを生む工夫が随所に

編集部:竣工から約2年経っているとは思えないほど、キレイに使っていただいていますね。短工期・高品質の「スタンパッケージ®︎」をご採用いただいており、良い建物をご提供できていると自負しておりますが、仕上がりについてはいかがでしょうか。

小川工場長:シルバーの外壁は、めっきを扱っているというアイデンティティにもつながり、選択してよかったと思いますね。また断熱性も申し分ありません。夏場は西日が当たるのですが、冷房がきちんと効きますので作業者からの評判もよいですよ。

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社長はいつ来ても「いいね」。顧客も品質管理を高く評価

編集部:竣工から2年。現在のご評価はいかがでしょう。工場長の描いていたビジョンや課題をクリアできましたでしょうか。

小川工場長:実際稼働を始めて2年間になりますが、レイアウトやデザインが従業員のストレス軽減、働きやすさというところにつながっていることが実感できました。
まず、工場内の動線計画が素晴らしく、作業者の不安が既存工場に比べて大幅に減りました。歩く距離を減らし、かつ環境も良くなった。これは非常に大きいことで、設備と作業環境がうまくマッチしているからこそだと思います。

また、昨年末の話となりますが、私共のお客様が工場へ監査にいらしたときのことです。
庇部分が扉、エアカーテン、シートと3重になっていることに注目され、「どれだけ品質管理に気を配っているかが分かった」とお褒めの言葉を頂きました。
我々のめっき製品は、車やスマートホンなど信頼性が問われる製品の部品に使われていますので、お客様の視線は非常に厳しいものがあります。ですから、品質はもちろん、社員が働く姿や建物も見た上で総合的に評価していただけたことは、非常にありがたかったですね。

新工場は、ニシハラ理工の新たなビジネスのスムーズな立ち上がりに重要な役割を果たしています。建設時の皆様のアイデアを結集した工場を、今後どうやって使いこなしていくかは、我々次第と考えています。

編集部:最後になりますが、当社の対応を含め「スタンパッケージ®︎」に期待することがあればお聞かせください。

小川工場長:この度は我々の想いを汲み取ってくださり、良い工場になったと思います。社長は、いつ来ても「いいね」といってくれます。
ただ、工場は何十年も使っていくものです。時代によってめっきの用途やお客様のニーズが変わっていく可能性があり、そうなると我々も変わらざるを得ません。設備も変える必要があって、工場の建築に対する要求も変わっていくでしょう。その際には、また新しいご提案をしていただけることを期待しています。今後ともお付き合いいただけるとうれしく思います。

編集部:ありがとうございます。ご期待に応えられるように頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。


【案件概要】
ニシハラ理工株式会社 佐賀第二工場
所在地  佐賀県三養基郡上峰町堤2100-16
構造   鉄骨造地上2階建て
延床面積 約2,770m2
竣工時期 2019年12月
請負範囲 設計・施工一式

ニシハラ理工株式会社様WEBサイト

https://www.nishihararikoh.co.jp

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