「鋼×想=力」特集記事
活躍する女性社員にインタビュー

2019年7月10日

ご安全に!

当社では、男女を問わず、社員一人ひとりが能力を存分に発揮でき、生き生きと活躍できる会社を目指し、環境づくりに取り組んで参りました。現在、建築・鋼構造事業部に44人の女性社員が在籍しており、結婚、出産を経て働く女性社員も多くいます。 そこで今回は、活躍する2名の女性社員のインタビューをお届けします。仕事への情熱ややりがい、自分らしい働き方をどうやって実現しているのかなどについて、たっぷりと語ってもらいました。

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左から、設計技術部建築設備室マネジャー・道場友紀、建築営業室・岩貞 梓

File01:設計技術部建築設備室マネジャー・道場友紀

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profile●入社9年目。理系建築学科出身。入社以来、主に倉庫やオフィスの設計・施工業務を担当。4月から部下もでき、中堅社員として後輩育成にも取り組む。休日は夫と映画鑑賞を楽しむ。11月に出産予定。

設計一つで快適さや実用性が変わる 使う方々の気持ちを考える仕事です

編集部:設計技術部建築設備室で現在、担当している業務について教えてください。

道場:設計技術には、プランニングやデザインを考える意匠設計、建物の強度を考える構造設計、設備設計として空調や水回りなどを扱う機械設備、コンセント、LANの配置などを扱う電気設備があり、私は、主に機械設備設計を担当しています。現場に出ると、仕様書のチェック、協力会社さんとのやりとり、進み具合のチェックなどが主な業務になりますね。現場に常駐する場合、プロジェクトに集中して取り組むことができるので、終わったときの達成感が大きく、楽しいです。

編集部:設備設計という仕事の面白さや、やりがいを感じるのはどのようなところですか?

道場:機械設備設計は、建物のデザインに響かないような設計をすることや、使う人に不便さや不快さを感じさせない設計が求められます。管理や運用のしやすさも大切です。 空調やコンセントの位置にしても、お客様によっていろいろな使い方・要望があるわけです。分散してほしい、ここに集中してほしいなどの要望がある中で、「どこにどのように計画・配置すれば使い勝手がよくなるだろう」と考えながら提案し、「使いやすいね」と共感してもらえたときは、うれしいですね。 特に工場の設備設計では、機械を動かすための冷却水やボイラー等のインフラをどうするかなど、課題が多くあって、実際の操業に関わってくるので責任重大です。常に使う方々の気持ちを考えること、そして完成後にクレームが出ないことが重要。普段は人目に付きにくい部分かもしれません。だからこそ悩みがいがあるし、設計のしがいがあります。

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編集部:建築業界は男性が多い職場だと思うのですが、女性ということで、何か仕事に生かせるような強みはありますか?

道場:女性の立場で設備の使い勝手についての意見が述べられることでしょうか。従業員の働きやすさを追求するうえで、オフィスの女子トイレや休憩室などを重要視されるお客様も多く、女性目線でどうかと相談されることはよくありますね。

現場リーダーはコミュ力が求められる 思い込みで突っ走らないことが大事

編集部:これまで一番頑張った、または思い入れのある仕事はありますか?

道場:3年前、設計・施工を担当した自動車関連工場のプロジェクト。提案書から参加して、基本設計・実施設計を経て現場常駐、施工管理まで、一貫して担当できた案件だったんです。初めてメインで任された仕事でもあり、最初は「私でいいの?」と不安でした。でも始まってしまったら、やるしかない。施工に入ってからは、機械の配置計画、配管の取り合い(設備業者間での区分)をどうするかとか、難問が多かったんですね。連日、設備業者さんとの打ち合わせが続き、調整が大変でしたが、そこは所長を含め先輩方にも相談するようにして、アドバイスをいただきながら進めていきました。

編集部:初めてのメインの現場、学んだことも多く、達成感も大きかったのですね?

道場:はい。学んだことは「終わらない現場はない」ということ。大きな案件を抱えて不安でいっぱいになっても、トラブルが起きても、次も「きっと終わる」と思えるし、やり遂げられるという自信がついたかなと思います。

編集部:仕事への取り組みとしてモットーにしていることはありますか?

道場:プロジェクトは、たくさんの人が関わって動いています。設計段階で後戻りできないところまで進めてしまうと、修正が大変になり、たくさんの人を巻き込んでしまいます。ですから、思い込みで突っ走らないこと、社内・社外問わずコミュニケーションをとるようにして、疑問に思ったことはためらわずに相談しながら進めること、極力、相手の身になってみて考えてみるということを心掛けています。

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「もともと1人で抱え込むより、人に頼るタイプ。先輩方は皆、快く相談に乗ってくださるのでありがたいですね」(道場)

やりたいことが実現できる職場 育児をしながら働き続けるためには課題も

編集部:女性として、働きやすさという点ではどのように感じていますか?

道場:私たちの世代は、女性も働くのが当たり前。就職活動では、男女の区別を感じたことはなかったです。入社してからも、男女の違いなく仕事を割り振ってもらっています。技術部建築設備室は、女性の割合が比較的多い職場。活躍できる場があり、やりたいことが実現できる職場だと感じています。

ただ、自分が妊娠して初めて、長時間労働について考えるようになりました。会社の制度は手厚いし、周囲の方の協力もありがたい。お腹が大きくなっていくと、周囲の人もより一層気遣ってくれます。でも、先輩の女性社員の方を見ていると、出産後に復帰してからは、見えない部分で負荷があるのかも、と感じています。時短勤務前と後では、周囲の捉え方も変わってくるんじゃないかと。時短勤務から外れても、子供はまだ小さくて独身頃のように時間が自由に使えるわけではない。でも、設計は締め切りがある仕事でもあり、どうやりくりしていくかは悩むところです。女性特有のライフイベントの中で、どう働いていくかは、社会全体の今後の課題だと思います。

編集部:今後の目標ややってみたいこと、将来にどんなビジョンを描いていますか?

道場:設備比重の大きい案件、例えば病院などを担当してみたいですね。職場では、中堅社員として、仕事のやりがいや面白さを後輩たちに伝え、周囲を引っ張り、自分の責任を果たすことが求められていると思います。建築業界、そして当社の未来のためにも、私たち世代がもっと成長し、設計室を盛り上げていかなくてはと思っています。 同時に、仕事と家庭の両立についても考える必要があるかなと。社員みんなが働きやすい環境づくりをどう目指していくかも含めて、考えて実行していきたいと思っています。

File02:建築営業室・岩貞 梓

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profile●入社6年目。財務部を経て、2018年5月から建築営業室。大学時代、ブラジルに留学し、インフラ整備や生活基盤の大切さを実感したことが、建設業界を目指すきっかけに。趣味はクラシックバレエとゴルフ、旅行、休日には夫と美味しいものを食べ歩く。

お客様の気持ちに寄り添う仕事 共感力や提案力も必要です

編集部:営業担当として、現在どのような業務に就いているか教えてください。

岩貞:大型物流施設の営業を担当しています。お客様は大手デベロッパーさんが多いです。主な業務内容は、お客様の開発案件への協力から、入札、交渉、契約締結、受注後のアフターフォロー等。大規模な建築物を扱うので、一人でお客さんと交渉をすることは多くなく、設計・工事など他部署とチームを組んで進めていきます。営業は、もともとやりたかった職種。人が好きで、色々な人と関わり、励まし、喜びを共有しながら進められる仕事がやりたかったので、実現できていますね。

編集部:これまで一番頑張った仕事、思い入れのある仕事はありますか?

岩貞:はい。大型物流倉庫に入るテナント様の案件でした。お客様はこだわりがあって予算内にどうしても収まらない。そのうち、工期も迫ってきて対応を迫られました。お客様の要望を汲み取り、当社からもさまざまな提案をして、お客様と一緒に悩み、最後までやり抜いた案件でしたので、契約がまとまった時には喜びもひとしおでした。不測の事態は起こるものだと改めて実感し、常に予測して進めていく大切さを学ぶことができました。

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「プロジェクトを進めるには、無理なお願いをしなくてはならないことも多々あります。年齢や経験は関係ない。どんな人に対しても敬意を忘れないことが大事ですね」(岩貞)

編集部:たくさんの人が関わる中でのスケジュール管理は、苦労も多いでしょうね。普段、仕事への取り組みとしてモットーとしていることはありますか?

岩貞: 人を大事にすること、敬意を忘れないこと、が大切だと実感しています。お客様はもちろんですが、プロジェクトメンバーに対しても。また、業務をスムーズに進めるには、「自分はこうしたい」という思いを、相手に明確に伝えたうえで、協力や意見を仰ぐことがとても重要だと思いました。正直、最初は、自分で決断するのが怖くて仕方がありませんでした。「営業経験1年目の私が意見を述べるなんて、恐れ多い」と感じて......。でも、悩んでいるだけでは仕事は進みません。メンバーが気持ちよく仕事ができるように、エンジニアのプロフェッショナルとしての力を信じて、お願いするようにしています。やってもらえて当たり前ではなくて、感謝の気持ちを忘れないように接するように心がけています。

多くの人と出会うことで成長できる 大きなやりがいを感じています

編集部:企画提案から実行まで、行動力やチームワーク力も必要とされる職種なのですね。ご自身は、営業職の醍醐味をどんなところにあると感じていますか?

岩貞:たくさんの人と出会い、関わることで、視野が広がる、新しい扉が開く、やりがいを感じながら自分も成長できるという点が、魅力だと思います。先輩はお客様のご出身や趣味のことまで知り尽くしていて、営業マンってすごいなあと感心しています。ここまでやればOK、というゴールはない仕事ですね。 また、仕事を通して事業の全体像がわかるようになりました。なぜこの予算になり、この建物になったのか、事業というのは色々な要因があって動いているんだなあと、細かいプロセスまで知ることができたことは大きな収穫でした。今後、他の部署、他の職種を担当したとしても、この経験は必ず活かせると思っています。

編集部:以前は、「日本は男性社会だから、女性には不利」だとも言われてきました。今は、どうでしょう。営業の仕事で、女性らしい強みを活かせる場はありますか?

岩貞:女性らしい細やかな気配りや優しさ、共感力は、強みになるのではないかと思っています。最近竣工した案件でも、お客様に「(対応が)手厚かった」と喜んでいただけました。お客様が何に困っているのか、細かいところまで気づいて配慮できたことが、評価されたポイントかもしれませんね。うれしかったです。

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ゼネコンでの若手営業・女性営業はまだ珍しいようで、女性ということで声を掛けてもらえたり、名前を覚えてもらえるというメリットはあるかもしれません。一方で「だから女性は......」といわれることもないとは限りません。ですから、まずは自分が、レッテルで人を判断しないように気をつけています。人と人とのつながりを大事に、互いを尊重し合う関係を築きたいですね。

人生も仕事も豊かなものに 新しい挑戦をし続けたい

編集部:当社での働きやすさはどうですか。

岩貞:男女関わらず気さくで後輩思いの人が多く、働きやすいです。ほとんどの部署に女性がいて、どんな職種でも活躍できる環境にあります。 社会全体の働き方改革については、「働く女性の制度があります」「女性の割合を増やしています」「研修をやっています」というのは、外向けのPRに過ぎないのではないかと疑問に思うこともあります。女性を優遇しますということではなくて、一人の人間として働きやすいかどうかを考えたい。根底の価値観を変えていくことが、大事だと思うんですね。

編集部:今後についてはどんなビジョンを描いていますか?

岩貞:頼れる営業マンであり、お客様にとって身近に感じられるような営業マンになりたいですね。大学時代にブラジルに留学して、インフラ整備・生活基盤の大切さを実感し、今まで幸せに生活してこられた恩返しをしたいなと思って、建設業を目指しました。チャンスがあるなら、海外勤務もしてみたいです。これからの時代は、夫婦で離れて仕事をするという選択もアリだと思うんです。既存のルールにとらわれず、いろいろな冒険ができる人間でありたいですね。

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