お知らせ

日鉄エンジニアリング株式会社（代表取締役社長：石倭 行人、本社：東京都品川区、以下「当社」）は、台湾/中国鋼鉄（董事長：翁朝栋、本社：台湾 高雄市、以下「CSC」）より、高雄製鉄所向けに世界最大のコークス乾式消火設備（以下「CDQ」^※1）1基（以下「本設備」）を受注いたしました。

本プロジェクトは、既設コークス炉の老朽化に伴い新設するコークス炉用に、環境対策に合致する技術としてCDQを新設するものです。湿式消火（散水）に比べ、コークス冷却時の発塵抑制による環境改善に加え、回収した蒸気を発電に有効活用することにより、省エネとCO₂の削減にも寄与いたします。

本設備のコークス冷却処理能力は世界最大（260t／h）であり、世界でも当社グループだけが納入実績（4基）を有します。一般的に、CDQの大型化に伴いクーリングチャンバー内部のコークスを均一に冷却することが技術的な課題となりますが、当社はコークスと冷却ガスが均一に流動するためのシミュレーション解析、フルスケール実験機での検討など長年にわたる研究開発により、大型サイズ（260t／h）でも冷却効率を低下させず、安定した操業が実現できる独自の技術を保有しております。

今回は、当社が世界最大のCDQの安定稼働実績を有していること、CSCグループに当社が過去納入したCDQ^※2が、いずれも高い稼働率を維持していること、大型であっても高効率な発電を実現できること、またそれらに裏打ちされた当社技術の先進性・信頼性が高く評価され、競合他社を抑えて受注に至りました。

今回の受注により、当社グループのCDQ受注実績は、日本・中国・韓国・インドなど全世界で累計140基となりました。

当社は、今後も鉄鋼業界における環境・省エネ分野のトップサプライヤーとして、世界の製鉄業の発展および環境保護に大きく貢献してまいります。

CDQ設備概略図

※参考資料：大型CDQによるコークス均一・高効率冷却技術（技報2012年 vol.3）