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お知らせ

2021年7月13日
日鉄エンジニアリング株式会社

【受賞】一般財団法人エンジニアリング協会「エンジニアリング功労者賞・奨励特別賞」

日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:石倭行人、東京都品川区、以下「当社」)は、一般財団法人エンジニアリング協会より2021年度「エンジニアリング功労者賞」及び「エンジニアリング奨励特別賞」を受賞いたしましたので、お知らせいたします。

「エンジニアリング功労者賞」は、エンジニアリング産業に関与し、その活動を通じエンジニアリング産業の発展に著しく貢献したグループ(チーム)または個人が表彰されるもので、「エンジニアリング奨励特別賞」は、商業的実用化が期待される先駆的技術の開発に顕著な功績のあった案件が表彰されます。

今回当社は、「ジェイコンビによる汚泥資源化推進チーム」が「エンジニアリング功労者賞」を、「大規模沖合養殖システム開発チーム」及び「セルロース系バイオエタノール製造技術開発チーム」が「エンジニアリング奨励特別賞」を、それぞれ受賞いたしました。受賞案件の概要は、以下の通りとなります。

【第41回】「エンジニアリング功労者賞」グループ表彰(環境貢献)

受賞者

ジェイコンビによる汚泥資源化推進チーム

概 要

気候変動対策が喫緊の課題となる中、国や自治体ではCO2排出削減対策としてバイオマスエネルギー利用を促進しており、その集積性の良さ、量・質の安定性から下水汚泥の燃料化利用が注目されています。従来は、脱水汚泥の焼却灰をセメントなどの原料として利用してきたのに対し、当社の下水汚泥固形燃料化システム(ジェイコンビ)は、脱水汚泥から固形燃料を製造し、バイオマスエネルギーとして有効利用するものです。

本システムは、2軸ミキサーと乾燥ドラムを用いることで脱水汚泥を造粒乾燥し、有機分をロスすることなく全量を燃料化します。このため、汚泥の有機分率に依存せず、各種の脱水汚泥(生汚泥・消化汚泥・高効率脱水汚泥)に対応できる優れた特性を有しております。また、製造される造粒乾燥ペレットは、下水汚泥固形燃料としてのJIS規定に合致しており、火力発電所などで石炭代替燃料として利用できます。地産地消のバイオマスエネルギーとして有効利用することにより、CO2排出削減に寄与する地域循環システムとなります。

国土交通省は「下水汚泥のエネルギー利用」を促進中です。また石炭火力発電所などでも、2030年度のCO2排出削減、再生可能エネルギー導入目標の達成に向け、下水汚泥固形燃料の利用が前向きに検討されており、今後の市場拡大が期待されています。

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ジェイコンビの全体フロー図と写真

【第13 回】「エンジニアリング奨励特別賞」(実プロ化が期待される先駆的技術)

受賞者

大規模沖合養殖システム開発チーム

概 要

世界人口の増加とともに食料需要も増加する事から、タンパク源としての水産物の需要拡大が見込まれています。一方、天然魚の漁獲高は世界的に頭打ちとなっており、必要とされる需要拡大分を賄うためには、養殖による生産が必須となります。

日本においては、従来養殖を実施してきた沿岸部の静謐な海域が飽和状態にあり、また、それによる海洋環境への負荷の増加も大きな課題となっています。これらの課題を解決するためには、潮通しがよく環境負荷の低減が期待できる沖合域で新たな漁場を開発し、大型生簀を用いた大規模生産を行うことが有効であると考え、大規模沖合養殖システムを開発いたしました。

本システムは、以下3つのシステムで構成されております。

  1. 大型生簀システム : 従来は養殖生産が行われていなかった海象の厳しい沖合域での操業を可能とする、浮沈機構・耐久性を備える。(容積比で従来生簀の約50倍)。
  2. 自動給餌システム : 陸地から離れた場所にある生簀への給餌を自動化・効率化し、労力の大幅削減・資本集約的な産業への転換を可能とする。
  3. 生産管理システム : 漁場の環境や摂餌活性など、養殖魚の状態をリアルタイムに把握し、最適な給餌計画を自動的に策定して実行することにより、生産コストの6割以上を占める餌代の削減を可能とする。

養殖業の生産性・収益性の向上、漁場の拡大、自動化・省力化の推進、環境負荷の低減を可能とする本システムは、日本漁業の持続可能な発展に寄与するものとして期待されています。

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大規模沖合養殖システムの全体像

【第13回】「エンジニアリング奨励特別賞」(実プロ化が期待されるインフラ輸出)

受賞者

セルロース系バイオエタノール製造技術開発チーム

概 要

バイオエタノールは、バイオマスを原料として製造されるエタノールの総称であり、原料のバイオマスは大気中の二酸化炭素を吸収して成長するという特徴があります。よって、バイオエタノールは燃焼利用しても大気中の二酸化炭素を増やさない、カーボンニュートラルなエネルギー源として、世界中で注目されています。

一方、現在生産されているバイオエタノールのほとんどは、糖やでんぷんからエタノールを作る第一世代技術によるものであり、その大半はトウモロコシやサトウキビなどの可食バイオマスを原料としているため、食糧価格高騰の原因となってしまうとの課題があります。

そこで当社は、農業残渣や資源作物といった非可食系バイオマスを原料としたセルロース系バイオエタノール(第二世代バイオエタノール)製造技術を開発いたしました。フィリピンの製糖工場に草本系バイオマスを原料としたセルロース系バイオエタノール製造設備(パイロットプラント、1トン-dry/日)を設置し、原料の評価などを含め、エタノール収率の確認や安定稼働などの検証を実施し、世界最高水準のエタノール収率を達成しました。

脱炭素社会の実現に向け、自動車燃料、ジェット燃料、プラスチック原料のバイオマス由来化は今後も進んでいくと考えられます。既に米国や欧州では、非可食系のバイオマスからのエタノール生産の商用化が普及期を迎えようとしており、今後、日本・アジア諸国においても普及が進むと期待されます。

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セルロース系バイオエタノール製造設備(パイロットプラント)

【お問い合わせ先】

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