新たなバイオマス燃料を普及させ
低炭素社会の実現に貢献する
キャリアで得たもの

Career path

キャリアパス

2015年 / 全社・全プロジェクトに保険を付保する業務を担当

主に損害保険の調達を担当。中でも海洋事業のパイプライン修繕プロジェクトでは、国内初の工法を使用するため前例がなく、「どのようなリスクがあるのか」、「どのような保険が付与できるのか」について、社内のプロジェクトマネジャー、設計、営業、法務と協議を行い、さらに社外の保険会社と折衝を行った。お客様に付保する保険の内容を説明する仕事を経て、お客様の立場に立って懸念点を整理し、わかりやすく伝えるスキルを学んだ。

2018年 / 人事部 採用室にて新卒採用を担当

イベント企画から集客、その実行と面談対応など多様な業務に取り組んだ。大枠の採用目標はある中で、その目標実現に向けてどうアクションを起こしていくか。一から計画を策定し実行していく難しさと面白さを学んだ。また、数多くの学生たちと出会い、限られた時間の中でどう距離を縮めていくかなど、試行錯誤しながらコミュニケーション能力を磨いた。毎日知恵を絞る中で、得難い経験を積み上げたという実感がある。

2019年 / 下水汚泥固形燃料化システムの営業を担当

下水汚泥を乾燥させバイオマス燃料(下水汚泥固形燃料)を製造する「下水汚泥固形燃料化システム(ジェイコンビ®)(※)」の営業を担当。新規入札案件を複数件、設計・建設+20年間の維持管理一式の事業となるため、維持管理を行う複数案件の管理業務も担当。その中で自社商品についての知識や、営業としてプロジェクトメンバーをまとめ、プロジェクトを推進していく力、お客様(自治体)からのニーズの引き出し方など、多くのことを学んでいる。

(※)下水汚泥固形燃料化システム(ジェイコンビ®):これまで埋め立てや焼却により処分されてきた下水汚泥を、造粒乾燥プロセスを用いて石炭代替燃料にするシステム。すでに複数の自治体への導入実績を持つ。

Project

情熱を注いだプロジェクト

自治体の入札案件に向け、
勝てる提案書を作成せよ

ある自治体の入札案件に岸がアサインされたのは、汚泥資源化営業部に異動した直後。入札まで2カ月というタイミングだった。自治体が求めているのは「下水汚泥をバイオマス燃料化するリサイクルシステム」。当社は代表企業として日本有数の水処理プラント企業をパートナーに迎えてJVを組成し、この入札に挑もうとしていた。岸が任されたのは、自治体に提出する提案書の取りまとめだ。お客様にとってどのような提案が魅力的なのか、競合先との差別化をどう図るかなど、プロジェクトマネジャーや設計と打ち合わせをしながら形にし、同時にパートナー企業からも有効な提案が引き出せるよう議論を重ねる日々が始まった。岸は自社商品の「下水汚泥固形燃料化システム」の知識すらままならない中、自分なりに工夫して議論を進め、メンバー全員が納得のゆく提案内容へとブラッシュアップしていく。しかし、社内の技術部門がまとめた提案書の素案を読んだ時、溜飲が下がらないのと同時にある想いが生じた。

「最初は、私には技術的な知見がないことが、アピールポイントが掴めない原因だと思ったんです。でも、よく考えたらそうではないなと。提案は、お客様に伝わるのかが最優先。共通言語の多い社内の人間に伝わらないのなら、それは改善しなければならないんです」

その後、岸は、「何がアピールポイントなのか」「それをお客様はどう受け取るのか」を、技術部門をはじめ関係各所から深く聞き出し、自分が納得できる文章に推敲していった。「それまで私はメンバーの意見を取りまとめるだけだなと感じて悶々としていたんです。これを機に営業としてやるべきことが明確になりました」

結果としてこの入札は失敗に終わった。しかし岸は今、このプロジェクトを通して学んだ営業の本質を胸に留めながら、日本全国の自治体へ「伝わるアプローチ」を戦略的に行なっている。

Lesson

そこで得た教訓

多くのステークスホルダーと
気持ちを一つにするために

当プロジェクトの定例会をスタートさせた当初、岸は苦悩していた。それは、パートナー企業のメンバーも含めたプロジェクトメンバー全員がどうしたら一つのチームとして一体となって、意見を出し合えるようになれるか。

「定例会に出席する当社の中心メンバーは、プロジェクトマネジャー、サブプロジェクトマネジャー、設計担当の3人、営業からは私と上司の2人。一方、パートナー企業は、機械、電気、維持・管理など業務別に担当者がいて、さらに営業も2〜3人いて大所帯。しかも、それぞれが持つ知識も興味も考えも違っていました。そのため最初は定例会でなかなか意見が出てこないこともあってうまく議論が進まず頭を抱えました」

悩んでいても何も進まない。そう考えた岸は上司やパートナーからのアドバイスを受けながら思いつく限りの工夫を重ねた。例えば、「競合他社がこういう提案をしてきたら、当社は勝てるか勝てないか」といった具体的なテーマを掲げて、ブレーンストーミングの時間を設ける。ある時は、いつものメンバーではない人に参加してもらって議論に刺激を与える。・・・次第に定例会での議論は熱を帯びるようになり、また、「こういうことを考えているが、どう思うか?」などとメンバーからの提案も活発になってきた。

「メンバー全員で意見を出し合って、提案内容に反映していくんだという雰囲気が生まれてきた時は、営業としてようやくスタート地点に立てたと思えました」

プラントエンジニアリングの仕事は、チームで行う仕事とよく言われる。しかし、ステークホルダーが多くなればなるほど、気持ちを一つにして、時には議論をぶつけ合いながら、良い提案を生み出すことは難しくなる。岸はそう痛感した。しかし、その一方で、本当の意味での面白さも知った。

「自分の働きかけ次第でチームが一つになり、全員のモチベーションが高まり、より良いものが出来上がっていく。その醍醐味を味わうことができました」

Profile

岸 薫子 Kaoruko Kishi
環境・エネルギーセクター
営業本部 汚泥資源化営業部 営業室

2015年入社
経営学部経営学科卒
休暇中の楽しみは、街ブラ、旅行、湯巡り。やってみたいのは海釣り。また2年前、金沢の美術館で九谷焼の器を見て、その素晴らしさに感動して以来、オシャレな陶器を収集することが趣味に。今度は佐賀県まで有田焼探しに足を伸ばしたいと思っている。