自らの技術で貢献したい
STORIES
ストーリーズ


「世界を取り巻くエネルギー問題の解決に貢献したい」そんな思いが芽生えたのは、高専1年時に地元・岩手県で東日本大震災を経験した時だった。
「当時はまだ、自分の将来像についてはぼんやりしていましたが、被災して、電気・ガスがない生活を体験し、当たり前のように享受していたエネルギーの重要性を感じて、意識ががらりと変わりました」
震災翌年の夏には、ソフトバンクの孫社長が被災地の高校生300人を集めて、カリフォルニア大学バークレー校で開催した日本のリーダーを育てるプログラムに参加。3週間、現地の大学生と交流しながら、リーダーシップと地域貢献について学び、帰国後は被災地のボランティアや復興に向けたイベント等へ積極的に参加した。様々な世界に触れ、倉成の将来像は明確化していく。
「世界の人たちと交流すること。世界のエネルギー問題に貢献すること。この2つの軸が実現できる仕事がしたいと、思うようになっていました」
就職活動はエネルギーと海外を軸に進めた。エネルギー業界と一口に言っても、上流から下流まで幅広い。倉成はその中でどういう立ち位置で働くのが自分らしいのかを考えた。
「技術者を育成する高専出身の自分にとって最も大事にしたいのは“技術”。プラントを設計・建設するエンジニアリング会社であれば、技術に最も携わることができると思いました」
日鉄エンジニアリングに入社後より、倉成は希望通り、エネルギー関連のプラントの設計業務に従事。今、国内外の複数のエネルギープラントのプロジェクトに参加し技術力を磨く中で、世界中のお客様や現場から信頼され、必要とされるエンジニアを目指している。

そこに潜んでいた一つの確信
EPISODE
エピソード


入社1年目、早くも「タイの既設プラントの発電性能増強プロジェクト」を担当するチャンスが巡ってきた。倉成が任されたのは、メーカーから調達した電気機器の検査業務と現場での試運転。出国する前の1カ月は、検査要領書を作成しては、先輩や上司からフィードバックをもらい修正、それをがむしゃらにこなした。よく諭されたのは「考えの浅さ」。「何のための検査なのか」「なぜその順番でやるのか」など、つぶさに根拠を求められた。
「指摘にうまく答えられず、戸惑うことも多かったですが、仕事をわかったつもりでいた自分を戒める、良いきっかけになりました」
これまで認識を改め、一つひとつのことをより深く追求するようになると、検査要領書の精度は上がっていった。そんな手応えと共に、倉成が現地入りしたのは7月末。
「図面上でしか見ていなかった電気機器の現物を目の前にして感激しました。名目は検査業務でしたが、実態は学びの場。恐らく、会社もそれを意図して、海外へ派遣してくれたのだと思います。本当にありがたいです」
と振り返る。その後、無事に検査を終えた電気機器をプラントへ納入し、試運転が始まった。現地の工事会社やメーカーと共に臨む試運転の現場は、倉成が学生時代に描いた「世界」のイメージに重なるもので、自ずと士気は高まっていった。自分なりに試行錯誤し、いくつかの厳しい局面を乗り越えながら業務を成し遂げた倉成が得た気づき。それはプラントエンジニアリングの面白さ。
「蓋を開けてみれば、自分には学ぶべきものがたくさんあるという課題と、プラントエンジニアという仕事の奥深さを確信した海外出張となりました」
倉成の初海外案件は、一担当者として異国で仕事を成し遂げたささやかな自信に加えて、プラントエンジニアリングという仕事が、人生をかけて追求する価値があることに気づかせてくれるものとなった。
Q&A
仕事の魅力
苦労すること
会社のPRポイント
メッセージ

環境・エネルギー制御システム室
2019年入社
工学研究科知能デバイス材料学専攻修了