溶銑予備処理設備(KR)
KR設備は溶銑中の硫黄分(S)をより安価なコストで、より低い濃度まで除去可能です
KRは機械攪拌式により、耐火物製のインペラーを溶銑中に浸漬して回転させ、溶銑と脱硫剤を機械的に混合し脱硫反応を促進する設備です。インペラーを高速(120r.p.m程度)で回転させることで、効率的に脱硫反応を進められます。そのため、脱硫剤として高価なマグネシウムを必要とせず、安価な石灰を使用して、溶銑中の硫黄濃度を数10ppm以下にまで低下可能です。従来のマグネシウムを用いる脱硫設備(インジェクション方式)をKRに置き換えることで、脱硫剤コストを大幅に削減できます。(※マグネシウム+カルシウムカーバイドを用いるインジェクション方法と、石灰を用いるKR法の比較では、脱硫操業コストを約45%削減可能)
KRは当社にて開発され、国内外に数多くの納入実績があります。長年の経験で蓄積されたノウハウ、FEM解析等を用いた設計手法により、振動等のトラブルのない設備を提供することができます。
また、当社独自の技術に、移動式KRがあります。KR本体が移動するため1つのKRが複数のステーションで脱硫処理でき、固定式KRを複数台持つことに比べて設備費の削減になります。一方のステーションで脱硫処理を行っている間に、もう一方のステーションでは並行して排滓作業が可能であるため、脱硫操業時間の節約にもなります。移動式KR、固定式KRを使い分ければ、レイアウトの自由度が増し、お客様の要求やスペースの制約に合わせた柔軟な対応も可能です。
KRと従来方式(インジェクション方式)の比較
移動式KRの概要
納入実績表
実績例
国名:インド
客先名:JSW Steel Ltd. Vijayanagar Works
時期:2016年
設備仕様:195 t/heat, 140 t/heat
国名:日本
客先名:(株)神戸製鋼所 加古川製鉄所
時期:2014年
設備仕様:270 t/heat
国名:日本
客先名:新日本製鐵(株) 八幡製鉄所
時期:2002年
設備仕様:320 t/heat