高度な鋼構造技術を駆使し
公共性の高い建築物を生み出す
キャリアで得たもの

Career path

キャリアパス

2015年 / 製鉄プラントの国内営業を担当

1年目より数千万〜数億円を超える案件を担当。中でも印象に残る仕事は、客先重要設備の更新案件。客先の要望に合わせ複数パターンの提案が求められ、さらに競合他社に負けないよう戦略的な営業活動を行う必要があった。その中で、操業側にとって一番良いのはどの提案か、競合他社に先を越されていないかなどについて、各方面から情報収集を行う重要性を学びながら、受注に至るまでの一連の営業活動の流れを経験できた。

2018年 / インドにおける製鉄プラント拡販の営業企画を担当

今後の成長エリアであるインドでの製鉄プラント拡販に向けての戦略立案を担当。社内の関係部門の方、およびマネジメント・経営層の方などとコミュニケーションを取りながら、自分なりに戦略を形にしていった。その後、策定した戦略のもと、拠点の規模、設置場所、日本からの人材の確保、現地スタッフの採用はどうするかなど、あらゆることを勘案した上でデリーに拠点を新設。この業務を通して、製鉄プラント事業をマクロな視点から捉えることができた。

2019年 / 大空間に使われる鋼構造の営業を担当

スタジアムや空港などの大規模建築物を建設するゼネコンのお客様に向けて、当社の鋼構造技術(構造設計から工場製作・施工まで)の受注活動を行うのがメイン業務。受注活動は、建設プロジェクトスタートの数年前から始まるが、その段階では詳細が不明であり、予算面の想定が困難。その中で重要なのは、客先をはじめ、社内外のあらゆる情報ソースから正確な情報を入手すること。社内外の関係者に働きかけ、受注活動を成功に導く力を培っている。

Project

情熱を注いだプロジェクト

大規模複合施設案件受注の
最終交渉を制す

2020年夏。伊藤が2018年から受注活動に奔走していた大型案件の最終交渉が始まろうとしていた。その大型案件とは、2023年竣工予定の音楽アリーナを有する大規模複合施設だ。伊藤は技術営業とともに、その建設コンペに参画する複数のゼネコンへの営業活動を継続。その中の1社であるゼネコンA社の受注が決定したのは2019年。この時点で、当社はA社から有力候補と目されていた。それは、伊藤の営業努力の賜物に他ならない。「もともと当社の鋼構造技術はお客様から高く評価されていましたが、その評価だけで受注できるほど甘い世界ではありません」

当時、伊藤は製鉄プラント営業部から鋼構造営業部へ異動して2年目。建設業界のプレイヤーの多さを思い知り、生半可な営業活動では、競合を勝ち抜くことはできないと腹をくくっていた。そのため、ゼネコンからのいかなる問い合わせにもクイックレスポンスを心がけ、迅速な技術検討協力を怠らず、概算レベルではあるものの踏み込んだ金額の提示も行なっていた。

「こうした地道な活動の積み重ねがじわじわと効いてきて、お客様との会話の中で徐々に本命のポジションを獲得できていることを感じ始めました」

そうして始まったのがA社との最終交渉だ。
「ポイントは、お客様にご納得いただける金額をどう提示するか。お客様はできるだけ安くしたい。一方、当社も適正な金額で決めてもらいたい。最終交渉の前日は深夜まで、技術営業とプロジェクトマネジャーと、提示金額・条件について議論とシミュレーションを繰り返しました」

伊藤は最後の試練を乗り越え、お客様に最終回答を提示。無事、金額合意をみた時には思わず安堵の声が漏れた。それは、自分の中で過去最大規模の案件を受注できた瞬間でもあった。

Lesson

プロジェクトで得たモノ

受注成功の鍵は、
正確な情報にあり

当案件を受注するまでに約2年を要したが、その間、最も苦労したのは、いかにしてより正確な情報を入手するかだった。

「建設業界はゼネコンから設計事務所、商社まで関係者が多く、そのすべてにアプローチして情報収集するのですが、正直、不正確な情報も多く含まれます。自分の持っている情報の正確性を上げるには、情報ソースをたくさん持って裏を取り、情報を取捨選択することが重要でした」

最終的にお客様となったゼネコンA社でも、それまでの営業努力が徒労に終わりかねない事態に陥ったことがあった。ある日、A社で直近の状況を聞かれて説明すると、『全然うちが思っていることと違う。御社は今まで何をやっていたんだ』と、プロジェクトのキーマンに叱責されたのだ。

「こちらは窓口の担当者の方に随時状況を報告していたのですが、どうもA社の中で途中からイメージが変わっていったようで。いつも対面している窓口の担当者だけでなく、お客様先の他の関係者はどう考えているのかまで、しっかり抑えておかないと、見当違いの営業活動になりかねないのだと痛感しました」

想定外の事態に青ざめた伊藤は軌道修正に邁進。社内の体制も整え直し、丁寧にフォローしていった。「結果的に、早いうちにキーマンと連絡が取れるようになったのでいろいろ話しやすくなった。災い転じて福となすで、より信頼してもらえるようになりました」

受注成功の鍵は、正確な情報。伊藤は今、それを肝に命じて営業活動に取り組んでいる。「自分が入手した情報が正確であればあるほど、社内外の信頼が高まり、『伊藤の案件なら間違いない。何を置いても協力したい』という気になってくれます。そうなればより大規模な仕事に立ち向かいやすくなると思っています」

誰よりも正確な情報を扱い、大規模な案件を受注し、社会に大きな影響を与えたい。それが伊藤の志だ。

Profile

伊藤 裕之 Hiroyuki Itoh
都市インフラセクター 営業本部
鋼構造営業部 鉄構営業室
2012年入社
文化構想学部多元文化論系修了
これまでは海外旅行が趣味だったが、現在、興味の矛先は国内に向いている。3年前から四国八十八ヶ所霊場巡りのお遍路をスタートし、現在までに三十二ヶ所を達成。また、将来の住宅探しが夫婦での楽しみとなっている。