IT・IoT化による建築現場の業務効率化

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デジタルさぼリューション!

更地から建物をつくりあげる現場管理は、大小数えきれない業務が存在します。「指示・確認」業務ひとつとっても、現場と仮設事務所を何往復もしていました。

現場管理者も一人一台のタブレットを支給されるようになり、写真撮影や図面確認だけではなく、工夫を施し、今まで時間を要していた現場管理業務負荷を大きく低減しました。

新しいデバイス、アプリケーションの導入で、今までに無い、次世代の現場管理を推進します。

事例を知る

IT・IoT化による建築現場の業務効率化として、以下のような取り組みを行いました。

  1. 作業間調整情報のクラウド化と朝礼ボードのデジタル化
  2. タブレットによる作業指示書作成と小規模チャットアプリによるメタ情報共有
  3. 全方位カメラを用いた配筋検査記録の実践
  4. Directによる機電発注・利用管理の見える化
  5. リモート製品検査の実践
  6. LAXCYによる竣工時仕上検査の効率化と工程検査への応用
  7. Hololenz2を用いたMR現場確認の提案と試用
  8. ドローン写真の現場指示利用
  9. 配筋ARの試用
  10. 免震階ドローン検査
  11. OpenSpaceを利用した現場巡回指摘の共有化

1. 作業間調整情報のクラウド化と朝礼ボードのデジタル化

シェアノートをシェアボードとして、朝礼看板に応用しました。

2. タブレットによる作業指示書作成と小規模チャットアプリによるメタ情報共有

現場の往来を最小限に済ませる工夫をしました。

3. 全方位カメラを用いた配筋検査記録の実践

誰もチャレンジしたことのない全方位配筋写真です!
 

4. Directによる機電発注・利用管理の見える化

カスタマイズしやすいコミュニケーションツールを導入しました。

5. リモート製品検査の実践

様々な機器のトライアンドエラーです。
 

6. LAXCYによる竣工時仕上検査の効率化と工程検査への応用

ルーチン業務は最効率化していきます。
 

7. Hololenz2を用いたMR現場確認の提案と試用

まだ見ぬ器具をその場に出現させる、次世代の建築現場です。

8. ドローン写真の現場指示利用

まだ目標到達できない機器も、他への適用が出来ないか考えます。
 

9. 配筋ARの試用

工事記録のつもりでしたが、担当者による工夫が光ります。
 

10. 免震階ドローン検査

人では困難な路をドローンが進んでいきます。
 

11. OpenSpaceを利用した現場巡回指摘の共有化

次世代の記録ツールを会社の垣根を越えて試してみました。

ヒトを知る


担当者

開発までの経緯

「♪電気もねぇ。お水もねぇ。」建築現場はやる事いっぱい。

建築現場では電気・給水などのインフラや仮設事務所・詰所等、働く環境から自分たちで計画し実行します。一見、デジタルとはかけ離れている業界ですが、タブレット自体の性能向上と共に、ひとりひとりにタブレットが支給されるようになりました。また、作業員もほぼ全員がスマートフォンを所持するようになり、現場全体がIoTでつながる千載一遇のチャンスが到来しました。

一方で、現場管理は「建業全29工種×QCDS管理」「毎日の現場運営管理」等、多岐にわたり、現場毎で同じ建物を造る事は無い為、ルーチン化も難しい。しかし、それぞれの業務・作業を細分化するとIT・IoT可でかなり圧縮化が測れると感じました。
いち早くiPadの支給を働きかけ、ボトムアップで現場で実践できる事を模索し実証実験を重ねてきました。工夫次第で自分たちの労働環境や労働時間、業務負荷を低減を目標にしました。

(目標にした。=「さぼりたかった。」→「デジタル導入+サボタージュ+レボリューション=デジタルさぼリューション)

開発から実装までの課題

とにかくやってみる。失敗してみる。

汎用の現場管理補助アプリも、テスト運用を開始すると必ず足りないところや不具合が出てきます。そこに気づくためにも、計画時点では「絶対失敗してはいけない事」に絞り対策を立てました。失敗を怖れず実行し、露見した課題に改善策を打っていきます。

簡単な例でいうと【朝礼ボードをクラウド化】。
配置図説明時に「左手でiPadをもち」「右手で操作する」と「マイクを持つ手が無い」
→インカムマイクとiPad台が必要なことがわかります。「朝礼ボードをクラウド化」だけを机上で考えていては、なかなか気づけません。

とにかく工夫。発想の転換。

販売されているアプリケーションを導入するだけでは、ここまでの発展は得られませんでした。今使っているアプリのとある機能も少し使い方を工夫すれば、他の作業や検査に適応できることが多々あるのです。常にこの工夫で更なるIT/IoT化を推進しました。

例1)eYACHOの情報共有ノート機能を朝礼ボードに置き換える。
例2)全方位カメラを上を向けて向かうのではなく、下を向けて(地中梁に突っ込んで)使う。
例3)配筋検査アプリを鉄骨造の継手検査使用に変えて使ってみる。 等

「しかし!どれもただのツールの一つ」

この分野にハマり始めると、必ず目的を見失ってしまいます。つまり「よい建物を造る」はずが「上手にITを使う」ことになってしまうのです。タブレットやアプリケーションは、あくまでも業務を遂行する為の「ただのツール」であり、使用する事が「目的」とならないように、自身や周囲には心がけました。

特に、建築現場は人が現実で物を作る「最前線」です。紙の図面上では描けるものも現実に作る手順がイメージできてなければ、実現できません。同じくVRで現場に壁や柱を描けても、造る時の足場や空間、材料を運ぶ動線などが無ければ、建てることはできません。これは物理的な「物」だけでなく、「人と人とのコミュニケーション」でも同じことがいえます。人に指示して人が造るのであって、ロボットではないのです。ロボットが活躍しようとも、まだ指示をするのは人です。

つまり、顔を見て、適切に指示する事ができたうえで、現場IT/IoTツールの適用が最良と感じています。

周囲の反応

若手の適応能力

一番驚いたのは、スマホデフォルト世代は多くの説明をしなくても、導入アプリケーションを難なく使いこなして行く姿でした。経験上必要となるエッセンスをアドバイスすると、使い方を各々カスタマイズし、ドンドン便利になっていきます。

例えば、作業間調整にクラウド型のシェアノートを導入した例では、入力UIを自由に作成できる機能があります。「日付」「業者名」「項目」などを入力者が打込みせずに選択できるようにするなど、自由なアプリ設計を進めて、毎日よりその現場に使いやすく実装を更新していました。

現場の労務時間を短縮すると事務所の労務時間が増える

例えば全方位カメラによる配筋写真撮影は、現場での作業時間は削減できるが、画角を切り抜くなど机上での作業時間は増えます。ドローン撮影も机上で画面を見て確認する時間が増えます。
一見業務負荷増に見えるが、「机上でできる」という事はアウトソーシング化に繋げることができるのです。本件もアウトソーシングで現場管理者の負荷は低減させることにつながりました。

今後の展望

導入事案の更なる熟達と横展開

建築現場はプロジェクトが変わると、大体の場合メンバーも変わります。一度ツールを会得したメンバーが他現場で展開する事で、地に足のついた展開が望まれます。導入支援者としては、常に各現場で上がった良い例が次現場でも適用できる環境整備、新しくやりたいことを吸い上げて、即実行できるフォロー体制が重要であると考えています。

新規事案

建築業と違い、IT/IoTの発展のスピードは目まぐるしいものがあります。1年前導入したものでさえ、新しい物に置き換わる事があります。
新しい技術の動向に敏感に也積極的に情報を収取、開発元などと多く会話し知識や技術を学ぶ足の軽さが必須です。