あ行

アーチ構造 [ あーちこうぞう]

鉛直力を圧縮力のみで支持する構造形式。上に凸で曲率を持った形状が一般的。

ウィングプレート [うぃんぐぷれーと]

ノードブロックに溶接されるプレート。斜材とは高力ボルト接合されており、斜材からの力を弦材に伝達する。

エンドコーン [えんどこーん]

NSトラスのパイプ両端に溶接されている円錐台状の部品。

押えプレート [おさえぷれーと]

斜材の偏平加工部の局部座屈補強のために使用する。トラス組立の際に斜材の押し潰し面にあてて高力ボルトを締結する。

か行

カプラー [かぷらー]

ケーブルの長さや張力を調整する金物。金物の両端にネジ山が切られており、一方は右ネジ、もう一方は左ネジ(逆ネジ)となっている。ピンブロックとケーブル材の中間に入れ、金物を回転させることで、張力を調整することができる。

キャンバー [きゃんばー]

大空間構造の屋根架構などが自重により変形する場合に、変形を見込んで設定する「むくり」のこと。製作キャンバー、施工キャンバーなど。

キールトラス [きーるとらす]

長手方向に主フレームとして架けるトラスをいう。梁間方向には補助的な架構を配することができ、桁行方向の壁面に現れる部材を細くすることができる。

ケーブル構造 [けーぶるこうぞう]

張力構造(テンション構造)の一種で、線材であるケーブルを主構造としたものをいう。ケーブル構造には、斜張式吊構造や蜘蛛の巣をイメージしたケーブルネット構造などがある。

弦材 [げんざい]

トラスの主部材のうち上下に配置される水平部材。上弦材と下弦材がある。ウェブ材(斜材や垂直材)により結合されている。

コネクタ [こねくた]

ハイブリッド部材の中心鋼板と集成材の応力伝達に使われる金具。丸鋼にHTB用の孔を空けたもので、集成材に圧入してHTBにより中心鋼板と摩擦接合される。

さ行

斜材 [しゃざい]

トラスのウェブ材のうち斜めに配置される構造部材。斜材の組み方で応力のかかり方が変わるため、構造計画を立てる際は配置に注意する必要がある。

集成材 [しゅうせいざい]

人工的に乾燥させたラミナと呼ばれる小断面の木材にフィンガージョイントにて材軸方向につなぎ、材軸方向に繋げられたラミナを断面せい方向に圧着して成形される木質部材のこと。JASにて規格化されている。ラミナ状態でヤング係数及び強度が確認されているため、構造特性のばらつきが少ない。

初期張力 [しょきちょうりょく]

ロッドやケーブルなどを用いたテンション構造で、架構の安定性や剛性を高めるために、ロッドやケーブルにあらかじめ導入された引張力のこと。

Cノード [しーのーど]

ノードの断面はCの字のようになっているもの。ノード内側に手を入れられる空間があり、ノード内側から締め付けボルトを挿入して締め付ける仕組みとなっている。

地組み [じぐみ]

大空間構造の屋根鉄骨を、地上である程度の大きさのブロックに組み立てること。その後、大型重機などを用いてブロックを架設する。屋根直下の仮設足場を削減したい場合や高所作業を低減したい場合、現場工期を短縮したい場合に採用される。

ジャッキダウン [じゃっきだうん]

ベント工法を参照のこと。
関連用語:ベント工法

準耐火構造 [じゅんたいかこうぞう]

建築物の構造のうち、準耐火性能の基準に適合する構造で国土交通大臣が定めたもの、又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。ここで、準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために必要とされる性能で、加熱開始後一定時間のあいだ構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じない性能である。上記時間は部位により異なる。

ストランドロープ [すとらんどろーぷ]

ワイヤをより合わせたストランドを更により合わせてつくったもの。曲げ剛性が低く、取り扱いが容易。弾性係数はスパイラルロープと比べ低い。

スパイラルロープ [すぱいらるろーぷ]

心線の周りに数層の側線をより合わせたもの。ストランドロープに比べて強度・弾性係数が大きい。ケーブル径を小さくしたり、ケーブルの構成本数を少なくして定着点を減らす目的に有効である。

スパン [すぱん]

梁やトラスなどで、柱と柱で支持された間隔。一般にスパンが大きくなるほど大きな部材が必要となる。

スライディング工法 [すらいでぃんぐこうほう]

大空間構造の屋根架構(仕上げ材まで含む場合が多い)などを、架構が設置される場所の近傍で組み立てた後、横引きして本来の場所に設置する工法。架構の直下に仮設足場が設置できない場合や仮設量が多くなってしまう場合、高所作業を低減したい場合、建方重機が設置場所に届かない場合などに採用される。

スラスト [すらすと]

トラスやアーチ構造などのピン支承で、水平方向に生じる反力。

施工時解析 [せこうじかいせき]

施工中の安全性を確認したり、施工手順を考慮して行う解析のこと。大空間構造では、完成時は構造的に安全であっても施工中の構造安全性が確認できていいない場合や、施工方法によって完成時の応力状態が異なる場合があるために、必要に応じて行われる。

ソケット [そけっと]

ケーブル材と接合金物を定着する、端末金物。ケーブル材に凸部分を作り、凸部分をソケットで受けることで応力伝達を行う。

た行

耐火構造 [たいかこうぞう]

建築物の構造のうち、耐火性能の基準に適合する構造で国土交通大臣が定めたもの、又は国土交通大臣の認定をうけたものをいう。ここで、耐火性能とは通常の火災が終了するまで倒壊、延焼を防止するために必要とされる性能のことで、一定時間火熱が加えられた場合に構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じない性能をいう。なお、部位や階数により要求される火熱時間が異なる。

タイロッド [たいろっど]

高強度の鋼棒。剛性は鋼材と同等で、強度は鋼材より高くPC鋼棒より低い。PC鋼棒と比べ大きい径の選択肢がある(タイロッドはφ25~φ90 PC鋼棒はφ13~φ40)。

鍛鋼 [たんこう]

高温に熱した鋼材を金型などで圧力を加えて成型した鉄鋼製品。鋼板や形鋼の溶接では製作の難しい部位に用いられる。

鋳鋼 [ちゅうこう]

特殊な砂などで作った鋳型に溶鋼を流し込み、自由な形に成型した鉄鋼製品。鋼板や形鋼の溶接では製作の難しい部位に用いられる。

中心鋼板 [ちゅうしんこうばん]

ハイブリッド部材の構成部材のひとつ。集成材と共に応力を負担する。

張弦梁構造(Beam String Structure) [ちょうげんばりこうぞう]

曲げ剛性を持った梁と引張材とを束材を介して結合した混合構造。鋼材を引張に使用する効率的な架構形式であり,軽量,高耐力,高剛性の構造物を少ない材料で構成でき,軽快で透明性の高い優れた外観デザインを実現することができる。

張力管理 [ちょうりょくかんり]

テンション構造で、ロッドやケーブルに導入された初期張力の量を確認すること。施工での初期張力の誤差は、設計許容値内に納める必要がある。

吊構造 [つりこうぞう]

建物の主架構をケーブルやワイヤーロープで支点から吊り下げる構造形式。高い塔状の柱を建ててトラス屋根などを斜張橋のようにケーブルで吊る方式や、ケーブル自体を屋根の主構造とし膜状の材料やパネルで被覆する方式などがある。

デプス [でぷす]

トラス構造における上弦材と下弦材の間隔。デプスが大きいほどトラスとしての剛性が上がり、弦材を小さくできる。逆にデプスが大きくなるとラチス材が長くなり、ラチス材サイズが大きくなる。

トラス構造 [とらすこうぞう]

三角形を単位とした部材構成で、部材の節点がピン接合(自由に回転する支点)となっている構造形式。トラス構造には平面的に構面を構成して応力を1方向に伝達する平面トラスと立体的に構面を構成して応力を2方向に伝達するスペースフレームがある。また、ラーメン構造の大スパン大梁やキール構造など、他の構造形式と組み合わされることが多い。

な行

熱押し形鋼 [ねつおしかたこう]

熱間押出技術を用いて成形した形鋼をいう。Wトラスのノードブロックに使用される。

ノード [のーど]

NSトラスの節点となる球面体の部品。

ノードブロック [のーどぶろっく]

Wトラスの節点となる部品。弦材径にあわせて円弧状に製作する。

は行

バックステイ [ばっくすてい]

吊構造などで支柱内側へ引っ張られて倒れないよう、頂部から斜め反対方向に設けた引張材のこと。「控え」ともいう。

ピン支承 [ぴんししょう]

トラス構造などで、水平方向に動くことなく下部構造に固定された支承。

ピンブロック [ぴんぶろっく]

ケーブル境界部の接合金物。先端部が二股に分かれたフォークエンドで構造材側のガセットをはさみ、ピンで力の伝達を行う。

PC鋼棒 [ぴーしーこうぼう]

高強度の鋼棒で、プレストコンクリートなどに広く用いられている。剛性は鋼材と同等で、強度は鋼材、タイロッドより高い。

フォークエンド [ふぉーくえんど]

ケーブル境界部の金物の形状。先端部が二股に分かれた形状をしたもの。

ベント工法 [べんとこうほう]

大空間構造の屋根架構などを架設する場合に、架構を一時的に仮設支保工(ベント構台)で支持して施工する工法。架構のHTB本締めと現場溶接が完了した後、仮設支保工を開放(ジャッキダウン)する。
関連用語:ジャッキダウン

偏平加工 [へんぺいかこう]

パイプ両端を押し潰し加工すること。Wトラスの斜材に偏平加工した鋼管を用いる。

ま行

や行

Uノード [ゆーのーど]

ノードの断面はUの字のようになっているもの。締め付けボルトはエンドコーン内でボルト固定用スプリングにて固定されており、ノード外側からボルトを締め付ける仕組みとなっている。

ら行

リフトアップ工法 [りふとあっぷこうほう]

大空間構造の屋根架構(仕上げ材まで含む場合が多い)などを、地上で組み立てた後、本来の場所まで引き上げて(或いは押し上げて)設置する工法。架構の直下に仮設足場が設置できない場合や仮設量が多くなってしまう場合、高所作業を低減したい場合などに採用される。

ロックドコイルロープ [ろっくどこいるろーぷ]

スパイラルロープの上に異形線(T線、Z線)をより合わせたもの。柔軟性、伸びともにスパイラルロープと同等の性質を持つが、ロックドコイルロープは特に耐食性に優れている。また、素線充填率が高い。

ローラー支承 [ろーらーししょう]

トラス構造などで、水平方向への動きが開放されている支承。滑り面の摩擦力を低下させるために、テフロン板が使用されることがある。

わ行

ワッシャ [わっしゃ]

パイプ材端とノードとの間に挿入される圧縮力伝達用部品。ノードとの接触面は球面になっている。

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