床板構造の合理化

近年、耐久性向上・急速施工などの目的で合成床版が増えています。これらの合成床版は、横断方向に一様な鋼材配置であるため、主桁直上の負曲げモーメントに対してハンチを設けて版厚を増やして対応しています。また、現場で床版構造と主桁を一体化するため主桁上にジベルを密に配置する必要があります。このため、複雑な構造とならざるを得ません。

本構造では、このハンチ・ジベルをなくすために、床版構造と主桁を工場段階で一体化させており、I形鋼にジベル機能を兼用させています。また、主桁上でI形鋼を交差させ、鋼材量を増加させることで、負曲げモーメントに抵抗させます。

合成床版の部分補修性確認

路橋示方書I共通編1.5設計の基本理念に従い、維持管理の容易さについて、ウォータージェットによる劣化コンクリートを部分除去し、再打設による機能回復が可能であることを確認しました。

横組み部材の省略化

パネルブリッジは、道路橋示方書の性能規定に準拠し、また、床版に荷重分配および水平荷重を負担させて中間横組・横構等の中間横組部材を完全省略し、製作・施工の省力化を図っています。本構造の採用にあたっては、3次元FEM解析により安全性や機能性を確保できることを確認しています。

現場連結桁方式の採用

パネルブリッジを連続桁として採用する場合は、鋼横桁をコンクリートで巻き立てることにより連続桁化する「現場連結方式」を採用しています。
鋼横桁をコンクリートで巻き立てる前に作用する「前死荷重(桁自重、床版コンクリート自重)」は、主桁上端部に設置した「せん断キープレート」を介して鋼横桁に伝達します。このとき曲げモーメント分布は各支間毎の単純桁となります。
巻き立てコンクリートを打設しコンクリートが硬化した後は、「支圧プレート」を介した荷重伝達により連続桁化します。「後死荷重(橋面工)および活荷重」の曲げモーメント分布は連続桁となります。
「前死荷重」と「後死荷重および活荷重」を足し合わせた全体の曲げモーメント分布は、従来の連続桁に比べ正側にシフトするため(右図③赤線)、中間支点上の負曲げモーメントを小さくすることができ、低桁高や桁鋼重削減を実現しました。

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橋梁商品のトピックス

2018.06.15橋梁商品
『鉄鋼新聞』(2018年6月15日)に、「橋梁用多機能防食デッキ NSカバープレートが西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)西名阪自動車道の美陵高架橋に採用」が掲載されました。
2018.05.23橋梁商品
「パネルブリッジ」の「架設桁架設工法」が「千年橋(釜石市道港町2号線)」において、初めて採用されました。

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